2009年11月の融資関連をお届けいたします。

融資関連2009年11月

 

融資の成否は設立のときに決まる 【創業融資関連

前回は、「形ばかりの設立をしてしまうと十分な融資が受けられなくなる」ということをお話ししました。

「設立」と「融資」。  

一見、この両者の間には何の関係もないように見えます。

実際、設立の登記をする際には、法律で定められた項目だけを定款に記載し、これを申請書とあわせて提出すればよいだけですし、会社の作り方が悪かったから融資が出なかったという話もあまり聞きません。

だったら、設立登記などはどこがやっても同じなのだから、「早くて安いところに頼んだ方がいい。」と考えたとしたら、それは大きな間違いです。

仮に、設立の方法が悪いために融資がでなかったとしても、多くの人はそれに気づいていないだけだからです。

ここでチョット誤解しないでいただきたいのは、
「 設立手続きをキチンとしている 」 = 「 必ず融資が出る 」
ということをいいたいのではありません。

もちろん、後々の融資のことを考えて設立手続きを計画的に行っている場合でも、状況によっては希望する結果が出ないこともあります。

しかし、それは本人の計画不足や資金不足などによるものであって、手続きウンヌンだけではどうにもならない問題です。

ここで言いたいのはそういうことではなく、本来、融資を受けられるべきはずの人が設立の手続きが不十分であったために融資が受けられなくなってしまっているということなのです。
  
それほどまでに設立手続きと融資は密接に関係しています。

また、創業融資の場合には、たいていいくつかの条件が付けられています。

その中でも代表的なのが、「自己資金の額に応じて融資の限度額が決まってしまう」ということでしょう。

一般的に、このような条件は「自己資金条件」などと呼ばれています。

これは創業者が融資を受ける場合には、
 「その上限額は手持ちの資金額に応じた分についてしかこれを受けることができない。」
というものなのですが、日本政策金融公庫の新創業融資などはその代表でしょう。

その他にも、一般の金融機関では融資をすることができない業種というものがあり、これに該当する場合には、やはり融資そのものを受けることができなくなります。

また、会社の本店が事業計画の中身とつじつまのあわないものだったり、他の会社の一部を間借りしているようなケースなどでも、審査上は大きな×がつくことになります。


このように創業融資の審査では、通常の融資にない特有の条件が付けられていることが多いのですが、ところで、ここまでの話で何か気付いたことはないでしょうか?

そうです。それは「 これらの項目は、すべて登記事項でもある 」ということです。

つまりは、融資を希望するならば、あらかじめこれらの審査のことも考えて設立をすべきなのです。

そして、もし、このことを考えずに手続きを行ってしまった場合には、変更手続き、もしくは設立手続きそのもののやり直しをしなければ融資が受けられないということも十分にあり得るのです。

これで最初に説明した、「形ばかりの設立をしてしまうと十分な融資が受けられなくなる」ということが少しはお分かりになったでしょうか?

そこで次回は、これら重要事項の一つずつを取り上げて、創業融資に失敗しないためにはどんな点に注意して設立をすればよいかについて、詳しく解説していきたいと思います。

2009年11月21日
 

創業者が使える資金調達とは 【創業融資関連

これから創業する方の中には、いくつもの資金調達の方法があると期待されている方が少なからずいらっしゃいます。

たとえば、ファンドや少人数私募債、事業への出資などがその一例です。

これらは確かに5年以上前のまだ景気が良い時には使えた方法ですが、経済情勢が厳しい現在では、創業者の方がこれらを利用できる可能性はほぼないものと思ってよいと思います。

特にファンドについては、原則として返済義務がないため、この利用を希望する方が多いのですが、最近ではそもそも本体のファンド自体が極端に数を減らしており、また、存続しているものであっても青色吐息な状況であるため、積極的に募集を行っているところはあまり見当たりません。

そのため、創業者の方が事実上使える資金調達としては、以下の3つに限定されるということになります。

① 公的機関による融資
② 親兄弟などによる援助(贈与など)
③ 同じ事業をしたいという希望を持った人間との共同経営


とはいえ、②と③については誰でもが利用できるわけではなく、また、それぞれについての問題点もあります。

そのため、誰でもが使える手段としては、①の公的機関による融資のみということになります。

しかし、これとても誰でもが申し込めば融資が得られるということではありません。

希望額の融資を受けるためには、シッカリした事前の計画が必要となります。


現在では会社法の改正により、払込金保管証明の準備などの面倒な手続きなしに、資本金1円からでも会社を作ることができるようになりました。

そのため、設立時のコストだけを考えて過少な資本金だけで、後の融資のことを考えずに、とりあえず形ばかりの設立をしてしまうというケースが目立っています。

しかし、これが結果的に融資の成功を大きく妨げているということに気づいている人はそんなに多くありません。

それでは、なぜ、設立時から準備をしないと、十分な融資が受けられなくのでしょうか?


次回は、この点についてくわしく解説いたします。