2010年04月の会社設立後の税務をお届けいたします。


会社設立後の税務2010年04月

 

特殊支配同族会社の役員給与に対する損金不算入措置の廃止 【役員給与

平成21年12月22日に閣議決定されました「平成22年度税制改正大綱」により特殊支配同族会社(いわゆる一人オーナー会社)の役員給与の損金不算入制度が廃止されることになりました。
【制度の概要】
 新会社法における一人会社の全面的解禁や最低資本金規制の撤廃等を背景として、個人事業主との負担の公平性を確保する観点(法人段階におけるオーナー給与の損金算入と個人段階における給与所得控除の「二重控除」の問題)から、いわゆる一人オーナー会社において発生するオーナー給与の合計額のうち給与所得控除額相当額が損金不算入とされていました。(平成18年度改正)
、「実質1人会社」の社長の役員給与について、給与所得控除額相当分を、法人の所得の計算上で損金不算入『経費にしない』とされました。

つまり実質1人会社とは「同族関係者で、株式の90%以上を保有し、かつ常務に従事する役員の過半数を占める会社」(特殊支配同族会社)をいいます。これは個人事業者が法人形態をとれば社長の役員給与について、法人で損金となり、さらに個人の給与所得の計算上、給与所得控除が出来るという「経費の二重控除」を防ぐのを目的とします。

このため10パーセント(ちょうど10パーセントではダメ)を超える株式を自分と自分の親戚以外に引き受けてもらうことが必要でしたが、平成22年4月よりこの制度が廃止されましたので、100%同族会社でも問題なくなりました。
【改正の内容】
 本制度は、平成22年4月1日以後に終了する事業年度から適用されないこととなります。

これで、他人に株を持ってもらう必要がなくなりました。

2010年04月22日
 

交際費等の課税の特例 【会社の経費

法人が支出した交際費の額は、原則として損金不算入とされていますが、中小企業(資本金1億円以下の法人)が支出した金額については、年600万円まではその金額の90%を損金の額に算入する特例措置がとられています。この特例措置が平成23年度末まで延長されます。
これは、中小企業を経営する側にとっては非常にありがたいことです。

例えば、600万円の交際費を使った場合、600万円の90%の540万円は経費として認められますが、60万円には法人税がかかるということになります。

2010年04月12日
 

法人税法上のみなし役員とは 【会社の経費

通常の中小企業では、登記されている取締役=役員で会社運営上はそれで問題はありません。
会社法において役員とは、取締役、会計参与、監査役を指します。また会社法施行規則においては、これに加えて執行役、理事、監事その他これらに準ずる者も役員と規定されています。

ここで気をつけなければいけないことは、法人税では会社法の解釈とは違い、登記されている役員とは別に「みなし役員」という制度があります。

みなし役員とは、法人税法において、役員と同じ扱いをされるということになりますので会社設立時によくお考えになり、発起人の持株比率を調整されることをお勧めいたします。

みなし役員と認定されるのは次のような要件に当てはまる者をいいます。

1・2ともに経営に従事しているもの

1.法人の使用人以外の者。
具体的には取締役として登記されてい場合でも、実質的に会長、顧問、相談役などその地位・職務等からみて他の役員と同様に実質的に法人の経営に従事していると認められる者となります。

2.同族会社の使用人のうち以下の要件をすべて満たしている場合。
・持株割合が最も大きいものから順位を付けた場合に、持株割合が50%超となる上位3位以内の株主グループにその使用人が属していること
・その使用人が属する株主グループの持ち株割合が10%超であること。
・その使用人の持株割合が5%超であること。

※「株主グループ」とは、その会社の一の株主等及びその株主等と親族関係など特殊な関係のある個人や法人をいいます。

みなし役員と認定された場合は、登記簿に記載されている取締役と同様に役員賞与の損金不算入など役員給与に係る法人税が適用ことになります。
※同族会社の使用人がみなし役員とされた場合、その者は使用人兼務役員にもなれません。

みなし役員の判定について、税務署の判断と自社の判断が異なるケースがありますので管轄の税務署と相談した方がよいでしょう。

判断として難しいのは「実質的に法人の経営に従事」しているかどうかの判定となります。

2010年04月01日