会社設立の書類作成と電子定款、現物出資対応


会社設立の時教訓になれば「船場吉兆」の場合・・・

高級料亭「船場吉兆」でお客様が食べ残した料理を別のお客様に出していたという、いわゆる「使い回し」問題が今話題になっています。
最初にこのニュースを聞いた時、「えー!あの吉兆が?」と思いました。実は行ったことがありませんでしたが・・・。

 

「船場吉兆」による不祥事は全部で5つあります。
「消費期限・賞味期限切れの菓子、惣菜の販売」
「地鶏の産地偽装」
「みそ漬けの産地偽装」
「無許可での梅酒製造及び販売」
最後に今回発覚した「客の食べ残しの再提供」と、不祥事は留まるところを知りません。

これほどの不祥事が起こるには、内的・外的様々な原因があったのでしょうが、私の個人的な意見では、つまり・・・<提供するサービスの価格よりお客様の期待が高すぎた>結果によるものだと単純に思います。さらに<お客様の期待には現行の提供価格では答えられなかった>という事。つまり、出来もしないことを客の期待に答えようとするあまり出来ます!と言ってしまい食べ残した鮎の塩焼きを別の客に出したりして帳尻を合わせなければならなくなったということだと思います。

例えば弊社のある池袋には路地裏に汚い焼き鳥屋などがたくさんあります。そういった店ではもともと客のお店に対する期待度が少ないから少々お店が汚くても、味がイマイチでも文句は滅多にないように思います。多少手抜きや間違いがあってもまさか「謝罪記者会見」などすることもないでしょう。
お客の期待度が低いとお店は無理する必要がなく「船場吉兆」のような事態に陥ることもなかったのでしょう。

一方「船場吉兆」ではやはり一流店といわれていたから、客もおそらく一流だったと思いますが、高いお金を出して一流の客が来店するわけですから「船場吉兆」に対しても過大な期待をかけてしまったのかもしれません。その大きすぎた期待に押し潰され、利益を上げる為に料亭でしてはいけないことしてしまったのが「船場吉兆」だったのかもしれません。

業界は違っても、会社経営や毎日の仕事の中には「船場吉兆」が陥ったような<高い期待に対するマイナスのスパイラル>的なことがよくあるような気がします。
営業先で、もしかしたら出来ないだろうと思える事でも「出来ます!」なんて言ってしまったり、客先の期待に100%答えようとして、無理な約束をしてしまったり・・・。

無事業務が済めばヤレヤレですが、もし期待に答えようとする余り不正をしたり、客先に迷惑を掛けてしまっては経営自体、本末転倒となってしまいます。

やはり、「船場吉兆」という一流の老舗でも無理なことは無理だったのです。
ましてや、これから会社を作ろうとする方々はまだ資本金も少なく日も浅く、規模も小さい方が多いことでしょう。(弊社もご多分に漏れずそうなのですが・・・)

会社を無事設立し、いざ実際の業務・営業が始まるとお客様やお得意様に仕事上たくさんの期待を掛けられたり、無理難題を言われたりすることがあるかと思います。
しかし、高すぎる期待に答えようと無理をすると必ずどこかで帳尻を合わせなければならなくなります。期待を掛けられる事は嬉しいことですが、実はそれはとても危険な事なのです!

いかに顧客のニーズ(期待)に答えられるかという命題とは別に、形のないニーズ(期待)によって、形ある会社そのものの存続の危機に陥らないようにする為にも・・・。
常に会社のマックス(限界)・アベレージ(平均)を知り、社員全員にもそれを良く認識させ、顧客の過剰な期待を誘わない という心構えも大切な事だと感じました。


日時:2008年05月08日 17:42